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これまでの
本たち。
 
 
 
 
 
 
 

 箱庭図書館

読書人:kyou.A
 

  

  自意識過剰気味なのは分かっているのだが、
  それでもどうしようもなかった。
  クラスメイトたちが、
  ただ友人たちと笑いあっているだけなのに、
  心の中に住みついているブタのように肥えたジイシキさんが
  「嗤われているブヒー!」と叫ぶのだった。(「青春絶縁体」より。)

 

ずばり、
乙一の「怖くて、不思議で、イタくて、切ない」ところ。
あと、装丁。

乙一といえば、
私はにとっては
『GOTH (夜の章/僕の章)』や『暗黒童話』など
なかなかえぐい感じのホラー作家、
娘(小5)にとっては
きみにしか聞こえない』『失踪HOLIDAY』など
切なさ全開作家。

お互い乙一の違う一面しか知らなかったけど、
この『箱庭図書館』は、二人とも
「う〜ん、乙一ってこんなのも書けちゃうんだ。すごい。」

文章も読みやすいし、とにかく、面白い!

読んでいて、
こんなに人の「想い」が切なく、しみこむように伝わってくる。
私の苦手な「ほれほれ、切なかろう、泣け泣け」的な囲い込みもなく、ただ淡々と、切ない。
乙一のごっついホラーしか読んだことがなかった私は、
乙一を誤解してました。

この本は、WEB文芸の企画で、
読者から送られてきた原稿を乙一がリメイクする、というもの。
あとがきではその元の作品にも乙一が触れていて、
それも面白いっす。

ちょっと怖くてけっこう切ない本好きの方に。
小学校高学年でもいけるよ。

に、おすすめします。

 

箱庭図書館
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